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勉強できない・しない子は”性格”が悪いって、本当?

カテゴリ:世の中の事


勉強できない・しない子の行動と、その背景

 私は、すべての子どもたちに、「100点満点」をとるチカラがあると信じています。
 これまで、「ひらがなの『あ』からやりなおす」「1問100点にする」など、ハードルを下げたものを紹介しましたが、実際にこれらを指導していても、なかなか「100点がとりにくい子」がいることも事実です。
 それは学力だけの問題でなく、「学習環境」や「メンタル面」が大きく関わっているからです。
 「100点満点」とれない子には、5つの共通した傾向があります。

【第3回】 「100点満点とれない子」 の5つの共通点|100点満点とれる子の育て方|ダイヤモンド・オンライン

筆者が掲げる「100点満点」とれない子の5つの共通点は

1.言葉が否定的
2.すぐに群れたがる
3.約束を守らない
4.体力がない
5.嘘が多い

筆者は小学生向けの塾を運営しているようなので、恐らく小学生対象の話でしょう。しかし、残念ながらこの共通点は高校生にも当てはまります。

「4.体力がない」は身体的な問題ですが、その他はすべて「性格」の話。つまり、ある種の”性格の悪さ”を持っていると、勉強が出来なくなると言えます。

僕は「学校の勉強は社会に出てから求められる力を伸ばすのに役立つ」と考えています。それは「性格」の問題が絡んでくるという一面も含んでいます。

以下では、5つの共通点について、もう少し細かく見ていきます。

1.言葉が否定的

ネガティブな言葉を使いがちな生徒は、第一に周りが見えていません。「無理だ」「わからない」「だるい」という言葉は、聞いている周囲も気持ちよくないものです。周囲への悪影響に対して無自覚でいるということは、自分を客観視できていないということ

そのため、振り返りをしても反省しか出てこない。良かった点、がんばった点に光を当てられない。勉強はできるようになることで楽しくなるものですが、その実感をつかむことが難しいのです。ますます勉強が嫌いになるスパイラルを自分で作っているといえます。

否定的な言葉の裏には、「本当は勉強できるようになりたけど、頑張ってできなかったら恥ずかしい」「努力してもどうせ周りから『無理だ』って言われるし」といった心の引っ掛かりがある可能性があります。子どもに限らず、大人でもそういった心の引っ掛かりを率直に表現することは難しいものです。否定的な言葉を使うような子は、なおさら自分の素直な言葉を否定せず受け止めてくれる環境に恵まれていないはずです。

では、前向きな姿勢をつくるためにはどうすればよいでしょうか。まず、今できること、少しでも改善できたことにフォーカスさせることが重要です。また、課題に目を向ける際には、能力や才能ではなく、勉強の量・質など改善可能なものに帰属する部分について反省を促すようにします。否定的な言葉が出てきたとしても「そんなこと言っちゃだめだよ」と否定せず、「そっか、勉強したくないんだね」と共感的に傾聴してくれる人がいると、ずいぶん楽になると思います。

2.すぐに群れたがる

隠岐國学習センターでは、生徒に「受験はチーム戦だ」と常々話しています。受験生一人一人が場の雰囲気を良くし、学習環境を整えてほしいと考えるからです。とはいえ、その前提として一人一人のスタンダードを上げてもらう必要があります。個として自律しているからこそ、チームとして個以上の力を出せる、というわけです。

群れたがる生徒は、個として自律できていません。目標は一人一人異なるはずなのに、自分のペースを他人に合わせてしまいます。最悪なケースでは、目標がより高い生徒を自分のペースに巻き込むこともあります。これは「受験はチーム戦」を掲げる学習センターとしては困り者です。

※みんなで勉強するという行為自体は、決して悪いことばかりではありません。勉強習慣が身についていない生徒が周りに引き上げられて勉強してくれるケースもあります。しかし、チームとして戦える個に育てるためには、友人に依存しきるのではなく、目的に沿って一人で勉強したり友達と勉強したりできるように促すことが結局は求められるのかなと思います。

群れたがる背景には「そもそも自分にとってどんな勉強方法が良いのかわからない」という問題があるかもしれません。だから、周りの人のやり方をなぞるしかできない。また、もしかしたら、「周りが頑張って置いて行かれるのが怖い」という心理があるかもしれません。いずれにせよ、勉強に対する漠然とした不安が、そうした行動を誘発しているように思います。

3.約束を守らない

約束を守らない・守れない生徒を見ると、「社会でやっていけるのか」と心配になってしまいますよね。約束を守れないということは、厳しく言えば自分の人生に自分で責任を持つことができない、ということ。

約束を果たすためにあの手この手を尽くすという姿勢が見られると、ぎりぎりのところでも折れずに強く立ち向かえるという印象があります。とはいえそこまでできる高校生は少数派ですが、約束が果たせそうにないときには早め早めに「無理です」と伝えて代替案を検討できる、くらいにはなってほしいもの。

まずは確実に守れそうな小さな約束を積み重ねることが大事です。また、大人の側も約束を守らせるよう最後まで追求していくことが求められます。子どもは大人をよく見ていますから、大人が本気なら子供にもそれが伝わります。

また、約束が守れないのは「失敗」であると強く認識してしまい、ついにはそれを隠ぺいし、最後の最後で「できませんでした」と言ってくるケースが多いように感じます。「約束が守れなさそうです」と正直に話し手もらうためには、「約束が守れないこと自体は失敗じゃないよ」「どうやったらできるか考えよう」というフラットなコミュニケーションができていることが大事です。「怒られるだろうな……」と思ったら、そりゃあ相談したくなくなりますよね。

4.体力がない→体調が不安定

普段高校生に接していて「この子は体力がないな」と感じることはあまりありません。しかし、何らかの原因で生活のリズムを保てず、体調が不安定な生徒がちらほら見られます。どうも、「寝不足」が原因のようです。夜遅くまでスマホをいじったり、睡眠が浅かったり。メンタルの不安定さが影響するケースもあるようです。

一括りにはできませんが、ずるずると悪い状況をひきずるのも困り者。自分の生活を客観的に振り返り、少しずつでも改善できるように促したいところです。が、本人も心のどこかで「なんとかしたい、でも改善できない」と思っているはず。その気持ちをまず尊重するところから始めないと、こちらの言葉に聞く耳を持ってくれないでしょう。

隠岐國学習センターでは、あまりにも眠そうな生徒がいたら潔く休ませ、その代わり起きている時間は集中するように指導しています。だらだらやるのが最も効率が悪いということを伝えます。すっきり目覚めた状態での集中力を自覚できれば、生徒も自ずと体調管理の重要性に気づいてくれるかもしれません。

塾という立場では、どこまで生徒の生活に足を踏み込むべきか難しいところがあります。まずは「遅くまでスマホをしている」ことを叱責する前に、(本当は良くないことだと思っているんだけど……)という枕詞が暗についていると信じて、関わっていきたいものです。

5.嘘が多い

引用記事でも最も字数が割かれていたのがこちら。

 また、嘘の多い子の家庭環境は問題が多いのです。
 私の塾では、「保護者セミナー」などを通じて、親御さんとのコミュニケーションを密にとっていくため、これまでとりわけ大きな問題はありませんが、それでも行き違いが生じることがあります。

 普段は、わが子の愚痴や悩みをこぼすお母さんが、子どもがささいなことで塾や友達のことで苦痛を訴え始めると、見事に豹変します。
 そして100%、「うちの子は被害者である」という立場をとります。
 しかし、事実を調べていくと、子どもが嘘をついていたり、勘違いだったりすることも多いのです。

【第3回】 「100点満点とれない子」 の5つの共通点|100点満点とれる子の育て方|ダイヤモンド・オンライン

個人的に、嘘が多い生徒は言い訳が多いと感じています。自分を守りたい、という一心からでしょう。自己保身に走る気持ちは痛いほど分かります。が、やはり、素直に「ごめんなさい」と謝れる生徒の方がよく伸びます。

言い訳ばかりする生徒は、言い訳が非常に回りくどいですね。「○○を忘れました」「ごめんなさい」といった最も大事な部分を最後に回し、話しかけてきたと思ったらいきなり言い訳から始める生徒もいます。こちらもちょっと困惑します。それくらい、彼らにとっては何か守りたいものがあるのでしょう。

「謝る」という行為は相手に対するものです。が、嘘や言い訳をする生徒は、なんとなく、「負けを認める」「自分の至らなさを暴露する」ものと捉えている印象を受けます。

さて、どうかかわるべきでしょうか。「どうせ言い訳だろ」「どうせ嘘だろ」とついつい言いたくなりますが(なにせすぐにそれとわかるので)、それはあまり望ましくないように思います。言い訳だろうとも、最後まで話を聞いてあげるべきでしょう。そもそも「この人には嘘をつかなくてもいいな」という信頼関係ができるのが最も手っ取り早いはずです。

嘘をつきつづけると、その言葉を本心のように取り違えることがしばしばあります。そうしていくうちに、自分の気持ちがわからなくなってしまうかもしれません。そうして自分の人生を、願いを、捻じ曲げてしまわないことを切に願います……。

勉強と仕事の不思議な関係

気づかれた方もいらっしゃると思いますが、「勉強が出来ない人」と「仕事が出来ない人」の特徴は似ています。僕が学校の勉強を重要視する理由はここにあります。

「勉強が出来なくて性格が悪い子は終わりということか!」そんな風に読まれた方がいらっしゃったらごめんなさい。勉強が出来る・出来ないは先天的な才能だけに拠るものではない、というのが本記事の主旨です。

勉強に向かう態度、あるいは習慣を変えていくことが、成績向上につながり、ひいては社会で活躍するための基礎的な力を身につけられる。そう考えると、「人を育てる」ことの可能性も全く捨てたものではないと思うのです。しかし、それは、本人の問題だけにとどめず、ぜひ周囲からサポートしてください。いや、むしろ、周囲からのサポートや日頃その子を取り巻くコミュニケーションの質が、結果的に勉強への姿勢に反映されているといっていいでしょう。「勉強できるようになりたい」という気持ちは、きっと誰もが思っていること。その気持ちを尊重するところから関わり方を変えてみてはいかがでしょうか。


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