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第三回アクションラーニング勉強会の振り返り

カテゴリ:自分事


第1回の振り返り

第2回の振り返り

第2回の振り返りを受けて

先月末の第2回から約3週間後、
男4女3の計7名でアクションラーニングを実施した。

今回は初参加5名、第1回の経験者が1名。
ALコーチは前回に引き続き僕が務めることになった。

前回の反省による変更点を意識しつつ、
第3回の振り返りをまとめてみたい。

結論

問題提供者が「すっきりした」ようなので、
結論として今回はうまくいったかなと思う。

みんながみんなの質問や回答に対して
「意味がある」と(事後的にでも)思えたし、
なんとなく肯定的な感想が多かった。

導入部分について

第2回に比べて主催者として意識したのは
セッションに至るまでの場の取り扱いだった。

1.やわらかく和気あいあいとした雰囲気にする

前回は初対面が多くぎこちないという指摘があった。
今回は自己紹介と同時に課題の共有を行ったが、
そうした具体的な事柄も含め、いい雰囲気をつくろうという
主催者側の意図が場に反映されたのかなと思う。

2.「質問」と「回答」ルールの説明を変える

アクションラーニングの特徴は「質問」&「回答」の形式にある。
前回はそれを強調したが、少し厳格になりすぎたようだ。
初体験が大半を占めたので、今回はこういう言い方をしてみた。

「サッカーって手を使っちゃいけないルールじゃないですか。初めてサッカーする人にはそのルールが制限に感じられてやりづらい部分もあると思うんですけど、手を使い始めてしまったら延々とサッカーの面白さは分からないので、まずは手を使わないというルールをまずは試してみましょう。」

「その例えの意図がわからなかった」という指摘もあったが、
まあこういう配慮が良い影響に転じたかなと思う。
少なくとも「やりづらさを感じた」という声はなかった。

3.メンバーの自発性に任せられる

問題提供者の決定は少し時間がかかったが、
最終的にはある程度民主的に決められたと思う。

問題提供者になることの恐れというか、
「こんな問題でみんなの学びになるのだろうか」という
不安が見られたのでALコーチとしてさっと決めようとしたが、
結局みんなの意見が出て丸く収まった。

気軽に質問・意見が言えたからよかった、
というのがメンバーの意見だったが、
ALにおいては割とこの点が大事かもしれない。

セッションについて(メンバーの振り返り等から)

セッションの中で良かったこととして挙げられたのは

・問題提供者からの「みなさんはどうですか?」という質問に、
みんなが各々の回答をしている場面

・この場のルールがディスプレイに示されたままだった

・問題提供者自身が「もういい」と思っているときでも
周りに疑問があったらそれをちゃんと場に出すところ

・頷き、相槌に見られる、素直に言える安心感、空気感

「もっとこうしたら」「ここが反省点」という声としては

・心の中で誰かを責めながらやってしまった
(けどルールが見えたからそれを反省できた)

・ALコーチが介入するタイミングでお菓子があると尚良し

・セッション開始前に「問題が変わってもいいんだよー」と
言ってもらえると問題提供者として気が楽かもしれない
(「問題の再定義」という言葉じゃ堅くてよくわからない)

ALコーチとしての個人的な反省点としては

スライドなどの文章は短くわかりやすいものを

質問による指示に曖昧さがあってか質問が多数出た
(周囲から質問が出るのはよいことでは?という意見も)

・自分の言葉が他人にとって分かりやすいかどうかの配慮を

「ALコーチもグループの一員である」という意識を以て
振る舞うことがあまりできなかった

ALコーチの役割を明確にするためには
「ALは何を学習する手法か」が明らかにならないと行き詰まりそう
(効果的なリフレクションにはまだ至っていない)

まだまだ探究が必要だが、
場づくりの課題はメンバーの配慮もあって
ある程度乗り越える目途がついた(かもしれない)。

「問題の再定義」という着地点について

今回、個人的に気づきがあったのは
「問題の再定義」の場面だった。

問題提供者がセッション開始10分ほどで
「あ、自分の中で解決策が見えました」と自己完結し、
周囲の方が腑に落ちていないという状況だったが、
問題の再定義に入りかけるところで待ったがかかった。

結局、”喉の奥にひっかかっていた”質問によって
ないがしろにされつつあった視点がグループ内で活性化され、
ある程度の決着をつけられたのかなという印象だった。

最後に出揃った問題は同じものを各々の視点で見たという感じで、
問題提示者もまた異なる視点で再定義をしていたが、
「ああ、なるほど、そこに力点を置いたのね」という感じで
“問題が異なる”のでなく”視点が異なる”ものとして
メンバーから了承されていたのがハイライトだったと思う。

いろんな角度から各々が1頭の象を眺めているが、
全員が「これは象である」ということは一致した状態で
問題提示者が「象を正面から描きたい」と言い、
「ああ、それでいいんじゃない」となった感じ。

ちなみに、問題の再定義の段になって
「パス」するメンバーが目立ってしまったのは
考える間を置かなかった僕が反省すべき点と思う。
(悪影響に至らなかったのはメンバーのおかげだった)

次なる課題~何を指して「学習」と呼ぶか~

雰囲気づくりに対して意識を向けることで
セッションの品質が保たれ、結果として
問題解決も達成される、ということはなんとなくつかめた。
アクションラーニングとは、そういう手法であるらしい。

次に目を向けるべきは、このプロセスを
どう学習に紐づけていくか、という点だと思っている。
そもそも、アクションラーニングを通じて
「何を」学習しているのかの言語化がなされていない。

次回からは僕以外のメンバーがALコーチをする。
そのときまでに一定の言語化にトライしてみたい。

コルブの「学習サイクル」に照らし合わせて
今一度振り返るタイミングが来たかなと思う。


関連する記事

アクションラーニング勉強会の第2回振り返り

カテゴリ:自分事


第1回の振り返りはこちら↓

アクションラーニングの試行と備忘録

2か月ぶりに勉強会を実施。
今回は僕を含めて6名が参加。
男女比は半々、第1回目の参加者は3名だった。

今回、僕はアクションラーニングコーチ(以下ALコーチ)に徹し、
残りの5人がセッションする形となった。

問題提供者は前回の参加者から立候補。
質問する4名は3名が初参加で、1名は前回の問題提供者だった。
つまり、前回質問側だった人がいない状態でセッションが始まった。

セッションについて~前回との比較を中心に~

ALコーチの立場からセッションを眺めていた印象では

・前回に比べて「長い」質問が多い
・誰かの質問にみんなが重なっていくというよりは、
質問者一人ひとりが別スレッドで質問を重ねている感じ
・みんなが「おお」「なるほどー」となるシーンが少ない

といった点が前回と違って気になった。
セッションになるべく集中するようにしつつ、
その理由を考え続けた1時間だったと思う。

そして振り返りの中で出てきたフィードバックはこうだ。

・ほぼ初対面のメンバーがいるにも関わらず
お互いの自己紹介や抱えている課題の共有などなく、
緊張感を持ったままセッションが始まってしまった
・初参加で「質問」と「回答」のみ、というルールに縛られすぎた

これは主催者として大いに反省すべき点である。
僕自身は集まったメンバー全員と顔見知りだったので、
一人ひとりが場に感じる緊張感を意識することがなかった。
セッションの進行ばかり意識し過ぎたのもあるかもしれない。

次回はアイスブレイク含め、場づくりの意識を持つようにしたい。
また、ルールに縛られすぎた、という声については、
その裏にあるものをもう少し検討しておきたい。
第1回ではそんな声がなかったからだ。

効果的な質問に関する仮説

ALコーチと言う俯瞰的な立場から見たとき、
場にいい影響を与えているなあ、という質問の共通点は

・誰か一人でなくみんなの関心事である
・ある人の考えを強化するのではなく、
問題提供者への興味・関心が先行するような問いになっている
・前提に縛られず、問いが問題提供者に委ねられている

といった感じ。抽象的ではあるが、
要は質問者が自分の考えに固執することなく、
問題提供者自身に関心をかたむけるべき、ということか。
しかしこれも本当にそれだけなのかは検証の余地がある。

ALコーチのはたらきについて

今回は本格的にALコーチにチャレンジしたのでその感想も。

ALコーチとして内省の時間を挟んだのは

・ほとんど意見を言っているような質問が増えてきた
・問題の明確化よりも質問者の脳内の整理や
仮説検証のための情報収集が優先されている印象が強い
・質問者が偏っており、その流れが変わりそうにない

といった観点でもやもやが僕の中で募りはじめるタイミングだった。

1時間ちょっとのセッションで計3回内省を差し込んだが、
良い・悪いは別にして前後で流れに変化がでることは感じた。
が、質問者自身が内省によって方向転換をした、という印象はない。

内省を促すにはALコーチの質問が鍵なのだと思うが、
ここは明らかに準備不足だった。次までに復習しておきたい。

ところで、ALコーチの意義や僕自身のふるまいについては
今後フィードバックを集める予定だが、
振り返りの場で言及されることはあまりなかった。
(つまりそれだけ意識されていないのだと思うが)

今後に向けての課題

アクションラーニング自体をより良いものにするために、

・場づくりの重要性を認識し、アイスブレイク等意識して組み込む
・問題発見にフォーカスすることで学習は成立するという仮説の検証
・ALコーチの役割について復習
・セッション中の方向修正の方法の検討

など課題だらけだが、少しずつ前進しつつある。
あとは集まったメンバーの脳味噌も活用していきたい。

 


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良質な問いを追及するアクションラーニングについてのメモ

カテゴリ:読書の記録


小さな組織の多忙感について」という記事にも書いたが、
海士町の多くの組織が中小企業規模であり、
マンパワーで基礎を築き上げていく零細期から
次の段階に向けての課題に直面しているケースが多いように思う。

ぼんやりとした課題意識から出発し、
組織を越えてお互いの問題を共有するような場として
有志で勉強会を開こう、というのが最近の企て。

その勉強会のネタとして冒頭の本に代表される
「アクションラーニング(以下、AL)」を導入しようと考えている。

アクションラーニングは、グループで現実の問題に対処し、その解決策を立案・実施していく過程で生じる、実際の行動とそのリフレクション(振り返り)を通じて、個人、そしてグループ・組織の学習する力を養成するチーム学習法です

アクションラーニングとは | NPO法人 日本アクションラーニング協会

実践 アクションラーニング入門」は、平易ではあるものの
生真面目さが少しとっつきにくいところであった。
ALの本質を追及するにはうってつけだと思うが、
もう少しライトに全体像を把握する上では別の書籍を参照した。

以下ではこの「質問会議」を引用しつつ、
整理のためにALのポイントとなりそうな部分をまとめておく。

なお、僕はこれまでに二度ほどALを体験している。
実体験に基づくので多少偏ったまとめになるかもしれない。

アクションラーニングの概要

ALとはざっくりと言えば会議形式の一つである。
その大きな特徴は三つ挙げられるだろう。

1.「質問」と「回答」によってのみ情報がやり取りされること。
2.チームとしての学習にコミットしたALコーチの存在。
3.参加者が直面する現実の課題解決を取り扱うこと。

「質問」と「回答」のみで構成されるという点が特に面白い。
「問いを立てるのがリーダー、その問いに答えるのがマネージャー」
などという言葉もあるが、ALでは徹底的に「質問」を重視する。

様々な問題解決の指南書で指摘されているように、
問題発見とその明確化は問題解決の1stステップと言われている。
そして、良質な問いは問題の輪郭を明瞭にし、
問題の本質をつかむ補助線となるという信念がALにはある。

また、単に組織の問題解決を促すのではなく、
ALの過程においては参加者の学習と成長も主な関心事となる。
問題解決の中で問題解決体質を植え付けるといえばよいだろうか。
「成長」にコミットしたポジションを1人配置するという徹底ぶりである。

各々が、現場で抱える実際の問題を持ち寄り、
その問題を解決するための「質問」と「回答」を繰り返す。
そうして問題の精緻化と解決のための行動計画を策定する。
ALコーチはこのプロセスの中でメンバーの学習にコミットする。
これがALの基本的な構成となる。

アクションラーニングが求められる背景

そもそも、このような会議体がなぜ必要とされるのだろうか。

ある大手企業の方がこんなことを言っていました。
「20年前の上司なら、部下の疑問・質問には100%の回答をもって導いてくれた。課長であれ、部長であれ、何をたずねてもはっきりとした指示を出してくれたし、どうすればいいか迷ったときには、いつも頼れる人だった」
この言葉は、「現在はそうではない」ことを示唆しています。

質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?

変化が激しく、問題が複雑化しているのだから、
既に答えを知っている人などいなくなってしまった。

いま必要なリーダーシップとは、解決策をチームメンバーから引き出すことのできる力です。リーダーは自ら答えをもたなくとも、メンバーが答えを発見できるような場や雰囲気をつくり出す必要があります。

質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?

ALという手法は、良質な問いを立て、
それによってチーム活動を活性化し、問題解決を促す。
問題発見・問題解決のサイクルを
自発的に回す組織づくりにうってつけだと言う。

なぜ「質問」なのか、なぜ「質問会議」なのか

改めて、「質問」の意義とは何か。
「質問は思考を促す」というのがその端的な理由になる。
質問というインプットに対し、何らかのアウトプットを出そうとする。
逆に「意見」は聞く側を思考停止にさせる恐れがある。

この質問を会議体に持ち込むことの利点は、
誰かの質問が、質問された相手だけでなく、
その周りにいる人の思考も促すという点にある。

「自問自答」は思考が一人で閉じてしまうが、
「他問他答」は、「I think」を「We think」にする。

これはチームの関係性向上にも役立つ。
上司が会議を支配し、喋り続ける場では誰も口を出せない。
一方的な指示では背景の理解まで至らない。
質問とその回答にフォーカスすることで平等な場が生まれ、
円滑で安心できるコミュニケーションが可能となる。

ダニエル・キム氏が提唱する「成功の循環」がある。

関係性の質→思考の質→行動の質→結果の質

ALでは前の二つに重きを置くことで、
チームとして結果を出し、関係性がさらに向上する、
そうしたサイクルを生み出す仕掛けと言える。

特に視点を変える質問は有効だ。
これを「質問会議」では「共鳴質問」と呼んでいる。

Aさんの視点を変える質問
 →Bさんは返答を考える
 →他のメンバーがBさんと同様に返答を考える
 →新しい視点を受けてさらに異なる視点の質問を考える

このようにチームとしての働きを促進し、
問題発見・問題解決の力を育むのが質問というわけだ。

学習を促進するALコーチの役割

ALコーチの役割についてもごく簡単に触れたい。
一言で言えば「質問会議」の学習効果を司るのがALコーチだ。

ALコーチに求められるのは、チームが信頼を基盤に、円滑なコミュニケーションとチームワークをはかれる場や雰囲気をつくる知恵を備えていることです。自らの問題の解決策を提示するのではなく、チームが一緒に考え、行動することを促進し、メンバーみんなでそれができる場をつくることが役割です。

質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?

ALコーチは会議の問題解決に介入するという形でなく、
メンバーにリフレクション(内省、振り返り)を促し、
気づきを生む機会を与える、という形で役割を果たす。

やり取りが閉塞的であるとか、思考に偏りが見られるとか、
セッションの中でメンバーの学びと成長に問題を感じたとき、
ALコーチはいつでもセッションを中断させ、
メンバーにリフレクションを求める権利をもつ。

問題解決でなく、チームの成長にコミットする。
そうした役割が一人いることはALの大きな特徴だ。

ALコーチはある程度の専門性が求められるが、
メンバーが順に回していくのでもよい、と言う。
その経験自体がメンバーの学習の契機になる。

 

終わりに

ALの概要を本当に簡単にだがまとめてみた。

具体的な実践の方法については、
海士町での勉強会の企画書という形で紹介してみたい。

 


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