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「きょうしつのつくり方」を読んで

カテゴリ:読書の記録

不思議な絵本だ。

子どもたちが自分たちで教室をつくりあげていく。
その様子がカラフルな水彩画で描かれている。

特徴的なのは、文字がないことだ。
「これは、○○をしているところです」といった解説は、
本編の後にまとめられている。

例えば、二、三人で一緒に読み進めながら、
どんな印象を持ったか話し合うのに向いていそうだ。

終盤には、鼎談が記載されている。
原案の学芸大准教授の岩瀬直樹氏、
プロジェクトアドベンチャージャパンの寺中祥吾氏、

」等の苫野一徳氏の3名。

気になる箇所がいくつかあった。

苫野・・・「みんなが同じでなければならない」「同じことをしなければならない」という、学校でよく見られる凝集性には、そこでひどく苦しい思いをしてしまう子どもたちが必ず存在してしまうという、深刻な問題があると思っています。
 でも、自発的な遊びを楽しんでいる時に感じるまとまり感は、むしろ助け合いや学び合いの土台になるんですね。
岩瀬・・・そのギュッとした感じをあまり味わったことがないまま、個別化を大事にしようと思うと、バラバラしたままになってしまいます。

きょうしつのつくり方

思い当たる節が多々ある。

岩瀬・・・凝集性の違和感みたいなことがぐっと来たときは、大きい変化を自分の中に感じました。「自分自身は割とそういう場は嫌なのに、先生である私はやれてしまう」みたいなところがつながったときに、自分の中に一つ核ができたという感じはあります。

きょうしつのつくり方

『先生である私はやれてしまう』。
それは公立塾のスタッフである僕も同様だと感じた。

 

本書は鼎談こそ多少抽象度が高いが、
全体としては子どもが読んでも差し支えない、と思う。
コミュニケーションのツールとして活用するとよいかもしれない。

こういう本もあるらしい↓

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