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”仕事観”について最近考えていること

カテゴリ:自分事

最近、「仕事観」のずれがもたらす影響について考える機会が増えています。

「寝食を忘れて没頭できる仕事がしたい」「仕事を通じてとにかく成長したい」
「仕事は稼ぎのため、プライベートを第一にしたい」「なるべく楽をしたい」

「仕事観」は人それぞれですし、一体感の高い職場であってもずれがあって当たり前。
それでも自分自身では核となる価値観を手放さないようにしたい。
なるべく、この核となる価値観だけは共有できる人たちと働きたい。

そんなことを思いつつ、最近大きく2つのことについてぼんやり考えています。

1.「」=「価値をつけること」が唯一解なのか?
2.一つの組織の中で多様な「仕事観」を受容することは可能なのか?

「仕事」=「価値をつけること」で取りこぼすものはないのか

糸井 だって、たいがいの仕事というのは「価値をつけること」ですからね。
河野 そのとおりですよね。
糸井 「市場をつくる」のが、仕事ですから。それ以上、何があります?

新装版 ほぼ日の就職論「はたらきたい。」 (ほぼ日ブックス)

仕事を通じて価値を生み出し、その対価としてサラリーを得る。

たぶん多くの人が共感してくれるし、大事にしていることだと思います。
ところが、もし”「仕事」=「価値をつけること」”と考えていない人と仕事をしなければならないとしたら。

大小を問わず「価値をつけること」があらゆる働く人に課されているとして、
「価値をつけること」のどこまでが本人次第なのか、ということは考えてみていいと思います。

マニュアル通り動くだけで価値をつけることができる仕事。
ほとんどの工程を自分で考え、それでも価値がつかないかもしれない仕事。

後者の方が尊ばれるのは稀少な能力だから、というのはよくわかります。

ところがその逆、つまり「自分で考えないこと」、「主体性の欠如」について、
なぜこれだけ「悪」として見なされてしまっているのでしょうか?
(そう思っているのは僕だけ、でしょうか)

実際、僕も自分に「主体的である」ように意識しようとしていますし、
他人の受動的な態度にイラッとさせられることがないとは言えません。

でもそれって、単に相手が僕と違う価値観だから、と言うだけではないか。
相手が間違っている、僕が正しい、と胸を張って言えるのか。
最近そのあたりが引っ掛かっています。

「価値をつける」
その測り方が限定的だから、人の評価も一面的になるのかも。

”多様”の前提にあるもの

(見た目上)「主体性」のない人と働けるかどうか、という疑問の先には
多様な価値観を受容する職場はいかにして可能か」という問いが待っています。

 多くの、特にグローバルな領域で活動する企業・組織が重視し始めている「」。
しかし、僕が就職活動を経ていわゆる「多様性」のカタチとして思い描いたのは
「ある一定の価値観・能力・資質を持っている前提での多様性」でした。

広義には「多様性」とは性別や国籍、宗教だけでなく、
能力、資質、志向、価値観、生まれ育った環境など様々な要素が含まれます。
人材要件が足きりラインとなり、「多様性」の中に入り込めない人がいる。

当然、能力の劣る人が所属することは組織にとって大きなデメリットです。
その中で達成される「多様性」とは何なのか。
それとも、あらゆる人を包摂できる組織こそが「多様」といえるのか。

あるいは「多様性」の名の下に「あのひとは違う」と判断するのが早すぎるのかも。
本当に違うのか、その違いは本当に決定的なもので、折り合わないものなのか。
「違い」を「価値」に転化できない組織の問題ではないのか。

そのような問いを立て、性急になりすぎる自分にブレーキをかけたい。

僕自身の課題:「ジャッジ」

こうしたことを考える自分自身の課題は何か。

学習する組織 現場に変化のタネをまく 」を読んだときに思ったのは、
他人をジャッジしてしまうのが当たり前になっている、ということです。

「いい/悪い」を第一印象ですぐに決めつけてしまう。
その印象を引きずると、その印象を証明するように相手の行動をジャッジしてしまう。
第一印象が悪い人に対しては、その人の悪い行動ばかりが目に入るようになり、
ついつい「ほら、やっぱりだ」と自分の第一印象を証明しようとする心の動きがある。

ジャッジしてしまうと自覚するだけでもある程度コントロール可能になりますが、
そもそも第一印象の時点でジャッジしてしまう癖はなかなか抜けません。

僕自身が「仕事観」について固定的に見ている部分があるというか、
一定の足きりラインを設定しているからなのだと思っています。
しかしそれは「そうできない自分が嫌だから」という理由で
自分を律するために課してきた側面もあるので、簡単に解決できる問題でもない。

そんなことも考えつつ、自分の仕事観をほぐしていくためにも、
寛容であること、多様性を受容するということについて探究していきたいものです。

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