複雑で高度な21世紀への挑戦と一抹の不安
カテゴリ:世の中の事 2015/05/17
島に移住して間もなく薦められた本をようやく手に取った。
邦訳の初版は1999年なんだが、
今読んでみても”新しい”見方を提供してくれている。
まだ最後まで読み切っていないが、
数十ページ進めてみてとっさに思い浮かんだことがある。
「現代は性悪説から性善説への移行期かもしれない」
本書の具体的な内容については別途整理したいが、
率直に言えば、本書の内容を実践することは
これまでの人をコントロールするやり方よりも難しい。
難しいだけより良い成果が出る、ということなのだと思う。
20世紀においてはシンプルでわかりやすく
とっつきやすい直線的なやり方が好まれていた。
しかし、その限界が多方面で21世紀の課題として残っている。
どん詰まり感が支配しつつある時代背景を考えれば、
複雑だが、より人間的だったり、より本質的だったり、
そうした方法に注目が集まるようになるのも無理はない、と思う。
ただ、自覚は必要だ。
水準を複雑で高度なものにすることへの留保が。
新しい正義が誰かを置き去りにするかもしれないことへの留保が。
すでに、気づいた人が気づいていない人を、
しようとしている人がしようとしない人を批判する声が大きくなっている。
対立により摩擦が生じるという覚悟が、きっと必要なんだろう。